餅を薄くのばし、風味のある粒餡をたっぷり包んだもの。ゆでた黒豆を入れた豆大福、よもぎを入れたよもぎ大福、ゴマ入りや栗入りなど様々。中国ではこの餡を包んだ餅のことをアンピンと発音し、日本でも一部の地域で「あんぴん餅」といいます。
大福餅は明和9年(1772)創製されて流行しました。元禄直後は小豆の塩餡を包んだ大きな餅であり、焼くと膨れ上がることから「腹太餅(はらぶともち)」と呼ばれ、腹が太い-->福々しい、から転じて大福餅となったとされます。やがて砂糖餡の大福餅が現れてからは塩餡のものは姿を消してしまいました。江戸時代の中頃、江戸で大流行し、夜には饅頭売りが焼き鍋に大福餅を並べて売り歩いたとされます。寛政10年(1798)の記事に「元来は馬夫などの者が食べたはらぶと餅というものを少し丁寧に拵えたもの。蒸し焼きにして温かくして食べると冬の寒い時期にはよい餅である」といった内容のものがあります。