パン ++ぱん++

///パン///

小麦粉やライムギ粉を主原料に、イーストを加えてこねてグルテンを形成し、ねかせて膨張発酵させた後に焼いたもの。メソポタミアが発祥とされ、B.C.3000〜2000年頃といわれています。古代エジプトでも作られたことがわかっています。その後ヨーロッパで主食として発展し、その土地にあった様々なパンが作られています。
日本では室町時代にやってきたポルトガル人によって伝えられ、パンとはポルトガル語paoが語源になっています。それ以前にも小麦粉で無発酵パンを作っていましたが、今日のパンと呼ばれるものの原型は南蛮菓子に由来します。当時のハイカラ好きな織田信長はパン(南蛮菓子)を好んで食べたようですが、信長の死後は明治になるまでパンはほとんど焼かれませんでした。明治時代の文明開化によって政府は西洋文明に追いつくべく積極的に欧風化を促進し、外国人専用ホテルの主食用に焼くパン職人を雇いました。外国人向けの食べ物というイメージを一新したのが木村屋總本店のあんパンの大成功です。庶民のおやつとなった菓子パンはやがて食パンの製造もドライイーストの普及と共に定着し、現代のパンと米の並食生活へと変化していきました。
製法は材料全てを混ぜてこね、発酵させて焼くじかこね式と生地を作ってから残りの原料を加えて再発酵させる中だね式があります。
ライムギ粉による黒パン、ふすま入りのグラハムパン、山形食パンのイギリスパン、表皮が堅いフランスパン、バターや卵が多いクロワッサンやブリオッシュなど様々な種類のパンが焼かれています。インドのチャパティーなどは無発酵のパンです。

///あんパン///

パンの中に餡を入れたもの。小倉餡だけでなく、うぐいす餡、白餡、栗餡、かぼちゃ餡などさまざまな餡を入れたパンが全国で販売されています。明治7年、日本人の口に合うパン作りに取り組んだ木村屋總本舗の初代、木村安兵衛が酒饅頭酵母菌であんパン作りを思いつきました。試行錯誤を繰り返し、白ゴマ付きのこし餡とケシの実付きのつぶ餡の2種類を完成させました。桜あんパンの登場は翌年の春、明治天皇に献上するあんパンを作るために日本を代表する桜をのせたことから誕生しました。あんの甘味と桜の塩漬けの塩味の調和が爆発的にヒットして銀座の名物になりました。今では全国至る所のパン屋、スーパーなどで販売されている日本のパンの代表です。

///クリームパン///

パンの中にカスタードクリームを入れたもので、あんパンと同様にポピュラーな菓子パンです。
明治34年中村屋を創業した相馬愛蔵によってクリームパンは明治37年に生まれました。彼の自伝によると、シュークリームをはじめて食べて、このカスタードクリームをあんパンの餡の代わりにできないかと考えたとあります。完成したパンは飛ぶように売れました。
パンの形が5つの切り込みが入ったグローブ形ですが、当初からこの形であったかははっきりしていませんが切り込みはあったようです。あんパンの丸型、ジャムパンの楕円と区別するためとも、クリームは水分が多いのでパンが吸水するのを防ぐためともいわれています。

///クロワッサン(Croissant)///

フランス語で三日月の意味で、バターを多めに入れてのばして折りたたんだパン生地を三角形に切って巻いて焼いたパン。オーストリアが発祥で、ルイ16世王妃マリー・アントワネットがフランスにもたらしました。最近は小さくてシロップをかけたミニクロワッサンの計り売りが人気商品です。

///デニッシュ(Danish pastry)///

デニッシュペストリーの略で、バター砂糖を多く入れた生地に甘煮の果物やクリーム等を詰めます。デンマークが発祥の、日本では甘い菓子パンの一種になっています。

///フランスパン///

バゲットと呼ばれる細長い切れ込みの入ったパン。小麦粉に食塩とイーストを入れ、表面を湿らせてから焼き上げ、皮は香ばしくて堅く、中は柔らかい。フランスで昼夕食用とされます。

///蒸しパン///

甘味のあるパン生地を焼かずに蒸したもので、柔らかく、しっとりとして口当たりがよい。干しぶどうやサツマイモなどを入れたり、黒糖や抹茶、チョコチーズなどの味を付けることもある菓子パン。

///食パン///

箱型に焼いた主食に向くプレーンなパン。スーパーでは4つ切り、6つ切り、8つ切りなどにスライスして販売されています。

///ホットケーキ(Hot Cake)///

鉄板・フライパンで円形に焼くのでパンケーキともいわれます。小麦粉牛乳・食塩・砂糖ベーキングパウダーバターをよく混ぜて鉄板に円形に流して焼きます。表面に小泡ができたらひっくり返し、中までよく焼きます。材料をすでに配分してあるホットケーキミックスという粉も市販されており、気軽に作れるおやつの定番。バターやメープルシロップなどをかけて食べます。

///ドーナツ(doughnut)///

アメリカなど各国で親しまれている、小麦粉を主材料としたリング形の揚げ菓子。真ん中に穴のあるリング状が一般的とされますが、ねじり棒や丸型などさまざまです。
語源はドウdough(こね粉, パン生地)とナットnut(くるみ)の合成語とされます。古くからオランダの家庭菓子であった中央にくるみをのせた円形の揚げ菓子を、オランダに滞在したメイフラワー号の新教徒たちが製法を習得し、持ち込んだといわれます。やがて中央にはくるみを置かず、穴をあけていきました。この形は揚げムラがなく、短時間で揚がる手早い方法です。
作り方は、バター砂糖をすり合わせたところにを入れ、小麦粉、ベーキングパウダーを入れて牛乳と香料(バニラ)を加えて練り、平らにのばした後、型抜きして油で揚げて砂糖をまぶします。

///パンケーキ(pancake)///

パンとはフライパンのことで、小麦粉牛乳バター砂糖などを加えて、円形に焼いたケーキ。薄く焼いてたたんだり巻いたりするクレープ(仏)、厚めのホットケーキ(日本)、型に入れて焼くワッフル(独)などがあります。イギリスでは四旬節の前のざんげの火曜日にパンケーキを食べる習慣があります。

///クレープ(crepe)///

表面がちぢみ状になるところから「絹のような・ちりめん」の意味を持つフランスのパンケーキの一種。小麦粉牛乳などを混ぜたなめらかなゆるい生地をごく薄く焼いたもの。中世からある菓子で、中世のクレスプcresp、クリスプcrispを語源とします。
食べ方は様々で、焼きたてに粉砂糖をふりかけたり、ジャムやクリーム、果物などを包んで食べたり、ソーセージやチーズを挟むこともあります。デザート用としてよく知られているクレープシュゼットは、オレンジソースで軽く煮たクレープにグランマルニエなどをふりかけ、客の目の前で火をつけるものです。ミル・クレープは「千枚のクレープ」という意味を持つケーキで、クレープにクリームを塗って何枚も重ねたデザートです。

///ワッフル(英waffle/仏gaufre/独Waffel)///

元はドイツ語の蜂の巣を意味する、ウエファースと同系統の言葉。
日本のワッフルは小麦粉牛乳などで柔らかく溶き、楕円形のワッフル型に流し入れて焼いたもので、バタークリーム、ジャムなどを二つ折りに包みこんで食べます。これは1891年(明治25年)米津風月堂の当主が7年間のヨーロッパの修行を終え、イギリスからウエファースの機械を購入して持ち帰ったのが始まりとされています。軽くて薄いウエファースがあまり受け入れられなかったため、生地をカステラにして餡をはさんでワッフルという名で売り出しました。カスタードクリームを挟んだワッフルは5年後の1896年に作られています。
最近ブームになったベルギーワッフルは生地を格子状の型の鉄板で挟んで香ばしく焼き、そのまま食します。